常に「新しさ」を探していたい

FOCUS

Vol.15

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日本デザインセンター画像制作部 フォトグラファー 細川類

常に「新しさ」を探していたい

〈 前編:クルマのロケから学んだこと 〉

日本デザインセンター画像制作部の「今」を伝えるFOCUS。
今回は、入社15年目となるフォトグラファーの細川が、自身の転機となったロケでの経験や
新たな試みを取り入れた自主制作、写真を撮る上で大切にしていることについて語ります。

職人気質なフォトグラファーたち

フォトグラファーの細川類です。トヨタやレクサスといったクルマの仕事をはじめ、無印良品や化粧品会社の仕事など、媒体も被写体も多岐にわたる案件を担当しています。大学では写真を専攻していて、就職活動中にNDCの存在を知りました。高校生までアマチュアのレーサーをしていたこともあり、もともとクルマが好きだったので、「クルマの写真が撮れるなら」と興味を持ったことが入社のきっかけです。

入社して感じたのは、「NDCのフォトグラファーはみんな職人技を持っている」ということ。例えば、1冊のクルマのカタログを制作する場合、複数のフォトグラファーで撮影を担当することがあります。場合によっては、見開きページに撮影者の異なるカットが混在することも。そういった状況でも、全員が撮影の意図を共有しているから、統一感のある仕上がりを実現できるんです。もちろん、フォトグラファーだけではなく、イメージエディターの存在も大きいです。彼らがロケに同行してくれたり、撮影について提案してくれたりするおかげで、クオリティコントロールができる。全員でしっかりとコミュニケーションを取りながら、同じ方向を向いて仕事をできることが、画像制作部の強みだと思います。

苦労の末につかんだシャッターチャンスの感覚

ターニングポイントになった仕事は、レクサスのLCというクルマの撮影です。海外ロケだったのですが、サブのフォトグラファーとして、クルマ以外のイメージカットの撮影を任されました。クルマを撮るメインのフォトグラファーから別行動を言い渡されたので、コーディネーターの方と2人きりで、クルマで移動しながら5日間くらいひたすら写真を撮り続けました。アートディレクターもいない。クルマの撮影も見られない。そんな状況で、「どんな写真を求められているのか」を自分で判断しないといけない。胃が痛くなるような毎日でしたが、写真を撮るときの意識が大きく変わりました。シャッターチャンスは感情が動いた瞬間に来るものだと思うのですが、そのセンサーの感度がよくなったというか。すぐにシャッターを切れるようになったんですよね。

そのロケ以外にも、これまでアメリカやチリ、中国など、撮影でいろいろなところへ行きました。それぞれの土地で感動するような景色を実際に見た経験が、今の自分に活かされています。例えばスタジオでライティングを決めるときやアングルを探るときに、いい光やいいアングルのイメージが頭の中に定着しているというのは、仕事をする上で大切ですから。