シネマグラフから見えてきたもの

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Vol.3

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日本デザインセンター画像制作部

シネマグラフから見えてきたもの

「動く写真」として、数年前から目にすることが増えてきたシネマグラフ。
静止画でも動画でもない表現手法として活用できるのでは?との議論から
シネマグラフ自主制作プロジェクトがスタート。30以上の作品が誕生した。

〈 前編:制作してみる 〉

プロジェクト発足のきっかけ

とある日、言いたいことを伝えるのにほんとうに静止画と動画しかないのだろうかということを話し合っていました。静止画では伝えきれない。動画だと饒舌すぎる。その時に話題にのぼったのがシネマグラフでした。
「動く写真」と呼ばれるシネマグラフを活用することで、よりわかりやすく、より魅力的にメッセージを送れるケースがあるのでは?フォトグラファーとイメージエディターが組んで制作することで、どのようなシネマグラフが生まれるのだろう?画像制作部のスタッフから集まった300以上のアイデアをもとに20〜30代の若い感性を活かす自由課題をテーマにしたチーム、仕事にゆかりの深いクルマをテーマにしたチームとふたつに分かれ、それぞれ街へ繰り出していきました。

自由課題チームのシネマグラフ

2人の人物だけが荷物を運んでいる空港の作品。1羽だけがよちよち歩いているペンギンの作品。黄味がぽとりと落ちてくる卵かけご飯の作品。制作の際に心がけたのは単なる動画に見えないようにすることで、「動いているはずのものが止まっている」という違和感を表現しやすいように心がけて撮影しました。制作の手順は、題材を決めることにはじまり、動画を撮影。あがってきた素材を見ながら動かすところと止めるところを議論し、編集していくという流れです。動画を逆回転してみたり、細かくスピードを調整してみたり、さまざまなことを試します。シネマグラフのループ性が楽しいと考えたので、動画のポイントになる部分を活かしつつ、自然なループに見えるようにつなぐのは難しかったとのこと。とはいえ毎日使っているソフトであるフォトショップによる作業は、動画制作をより身近なものにしました。

画像制作部のこだわり

今回はなるべくフォトショップだけで制作することに注力したとのこと。別のソフトやアプリを使えば簡単にできることを、あえて毎日使っているソフトで制作してみる。最終的な仕上がりは大きく変わらなくても、仕事の延長上に捉えてプロセスを検証することで本業を深めるというのもプロジェクトの狙いでした。
また、フォトグラファーとイメージエディターが協業できるのはやはり強み。1枚の写真としての精度を追求しつつ、さらにブラッシュアップしていく。撮影とレタッチという役割分担が明確で、それぞれ自分の専門分野に集中できるという画像制作部の武器はシネマグラフにも活かすことができました。今後はフォトショップにこだわらず、別のソフトやアプリを使用しての制作も考えています。