撮影現場を3D上で再現していく
CGチームは、撮影されたクルマに映り込んだ風景や光を確認します。そこから、簡易的にCG画像を当て込んでも、写真として成立するか検証へ。実制作に入ると、より精度の高い映り込みを表現するために、最終的に画として見えなくなる画面外の道路や木、橋であっても、3D上で撮影現場を再現していきます。フォトリアルを創りだす上で重要となるのが、太陽の位置です。光源や光量が異なると写真を見たときの違和感につながります。写真と一緒に、ロケ地の緯度・経度が送られてくるのは、そのためです。そして、フォトグラファーの撮影時の行動までも再現します。撮影時のF値やシャッタースピード、手ぶれまでも把握することで、単純な二次処理では再現できないホイールのブレなどが創られていきます。
撮影現場の空気を写真にのせる
仕上げはイメージエディターチームが担当。イメージエディティングで撮影時のレンズからクルマまでの間にある空気や温度を画にのせていきます。この作業は、カタログ全体の世界観を構築する上で、とても重要です。写真のように現場の空気感まで感じさせなければ、そこに“時間”は生まれません。基準となるのは、フォトグラファーが撮影した最初の写真ですが、よりベストな画になるように整えていきます。今回のレクサスLC海外向けカタログでは、新たな試みも実施しました。ページ内に、主人公の脳裏に浮かぶイメージをビジュアル化した画があります。その車窓の風景に、ロケ地で録音した音をエフェクトとして画像にのせたのです。狙いとしては、五感に訴える音や匂いまで感じてもらうため。人の記憶の中にある色や空気、温度までも表現することで、二次元の画に“時間”が流れていくのです。
イメージをビジュアル化した画
誰が欠けても生まれない画へ
このプロジェクトは、全スタッフが同じ社内にいて、明確なゴールを共有しているからこそ可能です。クライアントと向き合い、想いを汲み取るプロデューサーから、画に撮影現場の空気感をのせていくイメージディターまで、誰もがフォトリアルを創りだすために動いています。その結果が「レクサスっていいよね」という余韻につながっていく。また、スタッフの誰もがお互いを驚かしてみようと、自分の持ち場でこだわり、サプライズを用意していることも強みのひとつです。各スタッフのこだわりが生んだフォトリアルは、今後さまざまなクライアントにも活かされていく技術となっていきます。