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フォトグラファー 遠藤匡が語る動画

FOCUS

Vol.4

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フォトグラファー 遠藤匡

フォトグラファー 遠藤匡が語る動画

〈 後編:映像と写真を行き来しながら 〉

それぞれの違いを使いこなした表現へ

映像であれ写真であれ、フレーミングするという行為は変わらないとのこと。ここを見せる、ここを見せないという判断ができるのはフォトグラファーの特権です。実際に約6年がたち、現在、遠藤の撮影は映像と写真が半々くらいの割合になっていますが、どちらがより好き、より面白いというのは特にないそう。
「クルマの撮影は特殊かもしれませんが、例えば時速100kmで走るクルマを映像で撮影をする際には実際にそのスピードを出してもらい、自分は素直に被写体と対峙すればいいと思います。対して写真で伝えるときはスローシャッターを使えばスピード感をコントロールできるので、実際のクルマは時速10kmで走るのでもいい。時間を止めることで得られるものを、ときにはリアルに、ときにはグラフィカルに見せていきます。どちらもを手掛けるようになったことで撮影の幅が広がりました」。
LEXUS RX PRODUCT MOVIE

行為を伝える映像と、結果を伝える写真と

映像のシャッタースピードは経験値的にほぼ決まっているそうですが、それに比べると写真のシャッタースピードは自由度が高い。両方を扱うからこそ、より精度の高い撮影法が提案できるようになったと言います。例えばRXの作品は、実は写真を繋ぎ合わせて作ったコマ撮りムービー。普通の映像と変わらないようにスムースに見せるため膨大な編集作業が必要でしたが、品質感を伝えるのに有効な撮影法でした。
また、写真はどのような画を撮りたいかをまず考えることから始まることが多いのに対して、映像はその行為自体の魅力をいかにストレートに撮るかが結果につながります。場合によってはフレーミングが多少悪かろうとも、その行為に価値があれば、構図を検討する以前にとにかく被写体に食らいついていかなければならないし、そのようなカメラワークは見る人にも伝わります。写真も同じですが、ブレていてもピントがあっていなくても人の心を打つ画像はあります。いわば行為を伝える映像と、結果を伝える写真。片方だけに偏らずその狭間を行ったり来たりすることが、双方の撮影の質に良い影響をもたらしていると言えます。