真っ白な画面上に、黒い線で描かれていくソファとベッド。無印良品の「Good enough Living アニメーション」は、商品機能をわかりやすく訴求するために制作されました。制作を担当した映像ディレクターの深尾は、アニメーションを制作する上で大切にしていることを教えてくれました。「一般的にCGは人工物のため、温かみが感じられず冷たいと言われます。なので、アニメーションを制作するときは、アールの柔らかさや、あえて動き方によどみを持たせることで、素材の質感や温度感のある映像を制作しようと考えています。僕はそれを『ざらつき』と呼んでいますが、それは担当CGデザイナーにも何度も伝えました」。映像の表現内容というよりは、あくまで映像上のテクニックとして心がけていることだそうです。線の太さやカメラアングル、動き方など細かく注意を払うことで、見る人の心に響くCGが生まれていきます。