いい写真を、永遠に追い続けたい

FOCUS

Vol.2

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日本デザインセンター 画像制作部 フォトグラファー 岡庭璃子

いい写真を、永遠に追い続けたい

〈 前編:入社して一年間の日々と気付き 〉

フォトグラファーとして入社して 1 年。
写真が好きだという気持ちは深まるばかりだという岡庭璃子。
この仕事に就いたきっかけから、アシスタントとしての気付き、撮りたい写真まで。
写真一色の日々について語る。

写真に一生関わりたい、フォトグラファーになったきっかけ

絵を描いたり、文章を書いたり、表現することが好きだったという子ども時代。最初に自分のカメラ を持ったのは6歳のときでした。母親の仕事の都合で旅行をすることが多く、「町並みを記録してお こう」との意識から、写真日記をつけていたそうです。
広く社会を勉強したいと思って選んだのは、 立教大学の社会学部・メディア社会学科。そこで報道写真家の石川文洋氏に出会ったことが人生の転機となりました。石川氏が撮影したベトナムの戦争の写真を観た際、戦争の恐ろしさを追体験するという感覚が起こり、一瞬で強烈なメッセージを伝える写真の力を目の当たりにしたとのこと。そこから写真にのめり込んでいきます。

写真に関わることがしたい。仕事にすれば一生関われる-----そんな思いが叶い、2015年4月、日本デザインセンターの画像制作部にフォトグラファーとして入社しました。

アシスタントとして現場を学ぶ日々

入社してからはアシスタントとして撮影現場に立ち会う毎日が始まりました。まずは打合せに参加し、ラフを見ながらアートディレクターの撮りたいビジュアルを共有。カメラ、レンズ、三脚、ライト、 スタンド、レフ板、ハレ切り用の紙や板、箱馬、黒ケントロール、テープやクリップにいたるまで、 撮影に必要な道具を揃えることに始まり、撮影前はカメラを組んだり、障害物をどかしたり、対象物を整えるなど、先輩フォトグラファーがシャッターを切ることだけに集中できるよう準備を担当。
撮影中は近くで仕事を見せてもらい、最後に撤収作業を行って 1 日の仕事が終了します。トヨタや三越 伊勢丹など、入社 1年目で既に30以上の案件に関わってきたと言います。

自ら写真を作りあげていくのがプロ

仕事の現場を体験して、一枚の写真を完成させていく難しさ、厳しさに驚いたという岡庭。
「学生時代は、写真を撮ること=興味があることを切り取っていくことだったのですが、プロの世界はまるで逆。クライアントやアートディレクターが求める絵を的確に表現する作業でした」。
つまりは偶然に頼らず自ら作り上げていく力。自分には被写体を見る力が足りていなかったことに気付き、被写体と真剣に向き合うこと、被写体がもっとも魅力的に写るようにライトを作り、カメラを構えることを考 えるようになりました。

また、社内のグラフィックデザイナーの作品撮りにひとりで対応したときには、写真を作りあげていく面白さと手応えをはっきり感じたとのこと。アシスタントがするべきことが見えてくるようになりました。

「ここに置くための本」造本見本帳 「ここに置くための本」造本見本帳